がん先進治療ヨウ素療法
ヨウ素は甲状腺ホルモンを合成する
甲状腺の正常な機能に不可欠な栄養素です
ヨウ素とは?
ヨウ素は、昆布やわかめなどの海藻類の多く含まれるミネラルの一種です。体にはなくてはならないミネラルの一つであり、元来日本人は食習慣から政界の中でも摂取量の多い国の一つと言われています。しかし近年は食生活の変化により、日本人においても摂取量の少ない人も増えてきています。
ヨウ素の機能と効果
ヨウ素は甲状腺の中に取り込まれることで甲状腺ホルモンを合成し甲状腺の正常な機能に不可欠な栄養素です。また、それ以外にも肝機能の改善、アトピーなどの改善、認知症改善、動脈硬化改善、腎機能尿酸値の改善、抗腫瘍効果などが報告されています。
ヨウ素のがんへの効果
ヨウ素が細胞内に取り込まれるとアラキドン酸と反応し、6-ョウ化ラクトン(6-1L)となり、この6-ILがPPAR(ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプター)に働きかけます。 ヨウ素はこのうちPPARαを抑制し、PPARγを活性することで抗腫瘍効果を果たします。
①PPARα抑制
PPARαは、細胞の癌化を促進するといわれております。ヨウ素は、PPARαを抑制することで細胞の癌化を防ぎます。PPARαは、インシュリンの感受性を下げ糖尿病を悪化させたり、脂質代謝を低下させることで中性脂肪を増やし肝機能悪化させる原因になることでも知られています。
②PPARγ活性
PPARγは、P53、PTENなど癌抑制遺伝子の活性化し、がん細胞をアポトーシス(自死)させたり、細胞の増殖を抑制したりする働きをします。PPARγは、インシュリン感受性の元進、脂質代謝元進などの作用を持っており、PPARγ作動薬は実際に糖尿病治療薬としても使用されています。
③上皮間葉転換の抑制
がん全体の90%は上皮系の固形ガンといわれています。この上皮系の細胞は基本的に密着結合しておりそのままの状態では転移したり浸潤したりすることができない状態です。しかし、間葉系に転換することにより、血管内に移動したり別の臓器に転移浸潤したりできるようになります。良性腫癌と悪性腫癌の一番の大きな差は、ほかの臓器に転移するかどうかにありますが、悪性腫場では上皮間葉転換が起きた細胞を含んでいます。 ヨウ素はこの上皮間葉転換を抑制する働きがあります。
上皮間葉転換した細胞を血中循環がん細胞(CTC)といい、血液検査で測定することが可能です。またこの形態的な特徴や、性質を調べることで治療の有効性なども評価できます。当クリニックではヨウ素療法の前後で、CTCを検査することにより、治療効果に最適なヨウ素の容量や、継続期間などをみながら、治療計画を立てていきます。
実際の症例では、ヨウ素投与開始数日でCTCが改善もしくは消失した例も報告があり、がんのステージに関係なく効果がみられております。当院ではその他の高濃度ビタミンC療法なども併用することで治療の相乗効果を狙った治療も行っております。
治療について
当院では、基本的に点滴と服用を併用して治療を行います。
<点滴>
点滴用に院内で調製された10ml~30mlのイオン化ヨウ素点滴を30~40分かけて点滴します。
<服用>
飲用に院内で調製されたイオン化ヨウ素水を1日90~150mlを数回に分けて服用していただきます。
リスク・副作用
ヨウ素自体には毒性はありません。
以下の副作用が生じることがあります。
・発熱・皮膚の湿疹など
・下痢・リンパ節の腫れ
・局所の疼痛
・腫瘍マーカー値の急激な上昇など
適応について
ヨウ素療法の適応につきましてはカウンセリングを通して患者様の既往歴や採血データ等を総合的に判断したうえで決定させていただいております。
治療の流れ
カウンセリング
初診医師が、治療の内容について詳しくご説明いたします。
計画
治療計画立案患者さまごとに計画します。
点滴
定期的に来院し点滴にて投与を行います。
服用
食前または空腹時に毎日90~150mlを数回に分けて服用します。
上記を継続し繰り返して行っていきます。
未承認医薬品等で あることの明示、 入手経路等の明示 |
ヨウ素点滴および経口投与に用いる未承認医薬品等は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 院内調剤(一部外部委託)として、適法に調剤しています。 日本では、未承認医薬品を、医師の責任において使用することができます。 |
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国内の承認医薬品等の 有無の明示 |
ヨウ素点滴に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。 |
諸外国における 安全性等に係る 情報の明示 |
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